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言葉で装いを紡ぐ vol. 1
¥1,500
『言葉で装いを紡ぐ vol. 1』 著者:miki itabashi / A5 / 52p 何気なく選ぶ日々の装いを言語化してZINEにした、今までにないスタイリングの日記です。 著者がファッションを楽しんでることが、写真ではなく言葉で伝わってくる、なんとも不思議な感覚。 このスニーカー履いてあのライブに行ったんだよねとか、このTシャツ着て沖縄旅行いったなあとか、自分と服の思い出も蘇ってきます。 名刺もセットでお送りいたします。 (以下著者説明文より) このzineは、昨年6月からInstagram“言葉で装いを紡ぐ“( @stylewrittenbywords___ )にて投稿しております、スタイリング写真のない服装日記をまとめたものです。 どこかで、だれかが、いつかの私の装いに思いを馳せていて、その誰かもまた日々装いを紡いでいる。 紡がれた言葉から私の日々の装いをぼんやり・のんびり思い浮かべてくれたら幸いです。 日記のzineとしてはかなり読みづらい冊子になっています。わかりやすくてやさしいものばかり受容されてしまうことに逆向したい、まだまだ尖っていたいという気持ちで制作いたしました。テキストだけのInstagramの持つ空気感が紙媒体でも新たな形で反映されているかと思います。 direction, edit, text: miki itabashi @21c_mgkk photo: hatsune itano @itn_h models: 心優しき協力者のみなさま calligraphy: Senkei Itabashi print: graphic
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アシタノカゾク
¥1,500
『アシタノカゾク』 著者:足立桃子 / イラスト:コマツサトミ 出産や子育ても考える年齢になり、それは思い通りにならないことであると日々感じていますが、子どもと暮らすということには、いろいろな選択肢があるのだと知りました。 血縁だけが家族ではなく、いろいろな形があるのです。 読みやすい軽快な文章で、コンパクトな文章量のためどなたも読みやすいかと思います。 1冊1冊手作りで作られた思いのこもった素敵なZINEです。 (以下著者説明文より) 自分が里親という言葉を知ってから 実際になった今までを振り返りながら 得た知識、経験、気持ちの変化 などを私の頭の中にある少ない言葉で 一冊の本に綴りました。 ページ数はそんなに多くないので 誰でも読みやすくなってると思います。 里親って聞いたことあるけどあんまり知らない 里親ってどうやったらなれるのか などなど ちょっと気になった方はぜひ! 著者プロフィール---------------------------- 足立桃子(あだち・ももこ) Instagram:@gasakibase_decchi
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SHANIMUNI issue1
¥800
『SHANIMUNI』 ムニブックス / A5 / 32P ムニブックス初のZINE、 等身大のカルチャーマガジン『SHANIMUNI』創刊。 わたしたちは今、かけがえのない時間を過ごしている。 人生はなんとなく続いていくように思えるけど、 明日何が起こるかなんて誰にもわからない。 だからこそ、自分で選んだ道を歩いていこう。 わたしの人生は、わたしのもの。 issue1の特集は「ネオ自己中な生き方」。 特集「ネオ自己中な生き方」 ◯インタビュー:ハマメグ / Chiho ◯うちらの好き勝手座談会:好きなことを仕事にするってどうですか? ◯南アフリカ滞在レポ ◯コラム:縁を繋ぐ自由 / 猫とわたし ◯猫から学ぶ自己中生活 etc
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それはただの偶然
¥1,540
『それはただの偶然』 著者:植本一子 「これから私たちは別々の道を歩む。一緒に生きていこうぜ、というメッセー ジを伝え合える人を、それぞれが探し始める。」 (植本一子『それはただの偶然』より) 人との出会いや関係は、交差点のようにすれ違ってはまた交わる。それはすべてただの偶然で、意味のあるものにするのは自分次第なんだよなあ、とぼんやりと考えました。 「一緒に生きていこうぜ」ってなんていい言葉なんだろう。「愛してる」とか「いつもありがとう」とかそういうのでもいいかもしれないけど、偶然の出会いの中でもこの言葉を伝え合える人を見つけるのは、人生においてすごく重要なことだと感じました。 赤裸々に描かれる植本さんの感情に触れると、自分と重ねてヒリヒリしたり、情景を思い浮かべてほっこりしたり、1本の映画を見終わったような読後感です。 そして、私も猫と暮らしているので、「ねこのきもち」はグッとくるものがありました。猫は生きてるうちに一度だけ人間と話すことができるとどこかで聞いたことがありますが、不思議なことに寄り添ってほしい時は横で丸くなっていたり、話しかけたら返事をした気がしたり、実はいつも言葉をわかってるんじゃないの?と思う時があります。実際どうなの?猫よ。 「高橋さんのこと」では、ムニブックスでもお取り扱いさせていただいている『夏の感じ、角の店』の著者、『予感』の高橋さんとのエピソードが書かれています。 https://shop.munibooks.jp/items/99278168 ぜひ2冊合わせて読んでほしいです。 (以下著者説明文より) いつか別れる日のために どこまでも一緒に歩いた わたしたち 自費出版で初めてエッセイ集を作りました。 今年の春に事件に巻き込まれてしまい、かなり苦しい日々を過ごしてきました。 生きることさえ諦めそうになったけれど、書くことはそんな自分を助けてくれました。 夏から秋にかけて書いた7篇と併せて『文學界』『ベストエッセイ2024』に掲載された1篇、少しの詩を載せています。 もくじ 一緒に生きていこうぜ 春 小森さんと私 タトゥーを入れる それは愛と呼ばれる何か 新しい友達 高橋さんのこと お葬式のメンバー ねこのきもち 私たちの本当の終わり あとがき 植本一子 出版年表 著者プロフィール---------------------------- 植本一子(うえもと・いちこ) 写真家。1984年、広島県生まれ。2003年、キヤノン 写真新世紀で優秀賞。2013年から下北沢に自然光を使っ た写真館「天然スタジオ」をかまえる。主な著作に『かなわ ない』『家族最後の日』『降伏の記録』『フェルメール』『台風 一過』『うれしい生活』『愛は時間がかかる』などがある。
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夏の感じ、角の店
¥1,320
『夏の感じ、角の店』 著者:高橋 翼 (予感) / 校正:藤本徹 / 発行:予感 / B6 / 110P 代田橋駅前の小さな売店『予感』の店主である著者の3カ月間の営業日の日記。別の仕事を続けながらも週末だけ『予感』をオープンしているという。 別の仕事を続けながら、という部分はムニブックスとも重なる部分があり、勝手に親近感を覚えながらも読み進めました。毎日の何気ない出来事や感情の変化が綴られており、『予感』を中心に広がるいろんな人との出会いや交わりを体感できます。 私が感じたのは、ゆるやかな変化。何か劇的にこの瞬間から変わった、というのはないかもしれないですが、日記1日目と3ヶ月目では著者の中で何かが確実に変わっているような気がしました。 うまく言語化できないんですが、そういった毎日の積み重ねで、気がついたら1年前とは全然違う自分になってた!なんてことがあるのかな?と思ったり。この日記を読んでみなさんにも感じ取って欲しいです。 そして、6月からの約3か月間つけた日記なので、夏っぽい匂いがします。 ムニブックスでもお取り扱いさせていただいている『それはただの偶然』の「高橋さんのこと」の章では、『予感』の高橋さんとのエピソードが書かれています。 https://shop.munibooks.jp/items/99671734 ぜひ2冊合わせて読んでほしいです。 (以下著者説明文より) 京王線代田橋駅。各駅停車しか停まらない小さな駅の駅前にある角の店『予感』。 ほとんど週末しか営業していないこの店の店頭にひとりきりで立ちながら思うこと、店の運営にまつわったりまつわらなかったりすることについて記した日記のまとめ。 ・6月からの約3か月間つけた、ひと夏の営業日の日記 ・旅行中の日記 ・あとがきにかえてつけた1日分の日記 『予感』https://www.instagram.com/yokan.daitabashi/
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『おだやかでごきげんな毎日を過ごしたいのに、結局これが私のリアル』#1
¥1,500
『おだやかでごきげんな毎日を過ごしたいのに、結局これが私のリアル』#1 かきのきいろは / A5 / 210P 2024/8/30発行 2024.1.1-6.30の毎日、日記を書き続けたものを一冊にまとめました 毎日ごきげんで過ごしたいのになんだかうまくいかなくって泣いたりイライラしたり...かと思えば、おいしいごはんでハッピーになれちゃう そんな等身大の私のリアル日々録です。 (著者説明文より) お買い上げいただいた方には、セットでフリーペーパーも差し上げます。(写真5枚目参照) 著者プロフィール---------------------------- かきのきいろは 大阪府在住、写真と喫茶店が好きなおさんぽの達人。Xで毎日更新中の、ゆるくてリアルな日記を販売。日記本『おだやかでごきげんな毎日を過ごしたいのに、結局これが私のリアル』シリーズ新作発売!(2025年1月下旬〜)
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『おだやかでごきげんな毎日を過ごしたいのに、結局これが私のリアル』#2
¥1,500
『おだやかでごきげんな毎日を過ごしたいのに、結局これが私のリアル』#2 かきのきいろは / A5 / 196P 2025/1/1(水)発行 2024.7.1-9.30の毎日、日記を書き続けたものを一冊にまとめました 毎日ごきげんで過ごしたいのになんだかうまくいかなくって泣いたりイライラしたり...かと思えば、おいしいごはんでハッピーになれちゃう そんな等身大の私のリアル日々録です (著者説明文より) お買い上げいただいた方には、セットでフリーペーパーも差し上げます。(写真5枚目参照) 著者プロフィール---------------------------- かきのきいろは 大阪府在住、写真と喫茶店が好きなおさんぽの達人。Xで毎日更新中の、ゆるくてリアルな日記を販売。日記本『おだやかでごきげんな毎日を過ごしたいのに、結局これが私のリアル』シリーズ新作発売!(2025年1月下旬〜)
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inch magazine issue01 Stories
¥1,100
『inch magazine issue01 Stories』 inch media / W106mm×H184mm無線綴じ / 80P / 装丁:坂脇慶 日本人の私たちは「ブラック」「ホワイト」という言葉を何の気無しに使いますが、(ブラック企業とかブラックフライデーとかありますよね。その言葉が必ずしも人種のことを指すそれではないと思いますが。) そこにはストーリーがあってシリアスな背景がある。無知は罪だと感じたのと同時に、inch magazineを通して少しでも知ることができました。これをきっかけに興味を持つことがまず大事だと思います。 (以下inch media説明文より) 2021年4月創刊インディペンデントマガジン「inch magazine(インチマガジン)」創刊第一号。 一号目のテーマは「Stories」。東京、ニューヨーク、アトランタという都市に住む人々に生活体験から様々な物語を綴ってもらいました。 コロナ禍に火がついたBlack Lives Matter運動を目の前にして考えたこと、音楽が「ここではない何処かへ」手を差し伸べるストーリー、アメリカ南部における大統領選の裏側など、今読み返すことで2020年、2021年ごろの世界が激変した時代を見直し、新たな発見などもあるはず。 時代の記録として紙媒体を作る意義などを改めて感じていただけますと幸いです。 装丁者プロフィール--------------------------- 坂脇慶 アートディレクター。1982年生まれ。紙媒体から映像、ウェブのディレクションなど領域を横断し活動。現在、雑誌『STUDIO VOICE』『PARTNERS』のアートディレクションを手がける一方、日々の仕事の中で生まれたアイデアを利用した“process”と題したグラフィックを制作している。keisakawaki.com
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inch magazine issue02 NewYork
¥1,320
『inch magazine issue02 NewYork』 inch media / W106mm×H184mm無線綴じ / 112P / 装丁:坂脇慶 学生の頃、ミリタリーの古着が流行って特に深く考えずにかっこいいから着ていたことを思い出しました。 戦争のことを深く考えたことは、恥ずかしながらあまりなかったのですが、 たまたまそういったことを考えなくても生きていける日本のこの時代に生まれついただけのことなのだと思いました。 考えるきっかけになるので、ぜひ若い世代にも、子育て世代にも読んでいただきたいです。 (以下inch media説明文より) 「カルチャーを通して社会を考える」インディペンデントマガジン「inch magazine(インチマガジン)」の第二号は、911から20年が経ち「ニューヨーク」をテーマとして戦争や移民について考えました。 バラバラなところから集まった人々が街を作り、ポップカルチャーをはじめ様々な文化を生む。都市としての“理想形”に近いニューヨークについて、かつていて去った人、今も住み続ける人……時代や背景は違えど、どこか交錯する800万分の数個の個人的なストーリーを語っていただきました。 フッド、音楽、アート、ポップカルチャーといった、人々の越境がもたらす都市の魅力、そして911のような非常事態に市民はどうするのか。都市生活者としての豊かさや勇気が湧く話を収録。 目次 巻頭・巻末フォトストーリー 菅野恒平(写真家『LIBIDO』『Losers』) TALK ABOUT FOOD AND HOOD 宮本佳和(THE DAPS FAMOUS HOOD JOINT) ――ニューヨークの食を支える移民について 私が移民になった日 近藤聡乃(漫画家『A子さんの恋人』『ニューヨークで考え中』) ――エッセイと書き下ろしイラスト WHO IS A REAL NEWYORKER 揺れるニューヨーカーの定義 堂本かおる(在米ジャーナリスト) THE GOLDEN ERA ――あるいは、激動の始まり 田中淳子(写真家) ――1990年代に渡米し雑誌でヒップホップ黄金時代を撮影し続けた写真家の記憶 FIND A PLACE TO CALL HOME ――Kojoeインタビュー 二木信(ライター『しくじるなよ、ルーディ』など) ――日本人初のRAWKUS所属ラッパーKojoeの黒人コミュニティでのストーリー 『米国音楽』20号ニューヨーク特集は何を守ろうとしたのか ――川崎大助インタビュー ――作家・川崎大助さん(『僕と魚のブルーズ 評伝フィッシュマンズ』など)によるインディーズカルチャーと戦争についての話 An iraq veteran’s true story ――軍服を切り裂いて再生紙を作る活動をするイラク戦争帰還兵の本当の話 Combatpaper and Craftivism ――なぜミリタリーウェアは世界中でファッションアイテムになっているのだろう? 読むニューヨーク推薦図書 ikm(Riverside Reading Club)、inch mgazine編集部 ――野良読書家集団Riverside Reading Clubのikmさんと選ぶ犯罪小説、評論、ルポなど15冊 街と詩 North Tokyo All Day ――LIL MERCY(WDsounds、PAYBACK BOYS、ラッパーJ.COLUMBUS、Riverside Reading Club) ――ニューヨークを経由して今、自分が生きる街へ 都市への愛と詩 装丁者プロフィール--------------------------- 坂脇慶 アートディレクター。1982年生まれ。紙媒体から映像、ウェブのディレクションなど領域を横断し活動。現在、雑誌『STUDIO VOICE』『PARTNERS』のアートディレクションを手がける一方、日々の仕事の中で生まれたアイデアを利用した“process”と題したグラフィックを制作している。keisakawaki.com
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inch magazine PocketStories01 生まれつきの時間
¥1,210
『inch magazine PocketStories01 生まれつきの時間』 ファン・モガ (著), 廣岡孝弥 (翻訳)/ inch media / W106mm×H184mm中綴じミシン製本 / 80P / 装丁:坂脇慶 「生まれつきの時間」を過ごす豊かさを感じました。 韓国の文化や社会性も垣間見え、いろいろな角度から読むことができます。 (以下inch media説明文より) 人類が一度滅亡したあとの世界。「成長センター」で目覚めたアルムはすでに十五歳だった。生殖能力をなくした人類を再生するプログラムで急速な教育とリハビリを与えられたアルムは、ある日センターを逃げ出すが……。 本書は、2022年4月に韓国のSF雑誌「The Earthian Tales」のNo.2「TIME TRAVEL with you」号で発表された短篇作品の翻訳版です。作者は日本に移住して15年、移民としての視点などを持ちながら韓国語でSF小説を書く作家です。2019年に韓国屈指のSF新人文学賞である第四回「韓国科学文学賞」の中短篇部門で『モーメント・アーケード』(2022年クオン刊)が大賞に選ばれてデビューしました。 本書が描く世界は大きなテーマですが、韓国で加熱する教育格差や世界で問題になるジェンダー格差など、様々な不平等を描きながら誰にも普遍的な物語になっており、男性読者が中心であった正確な論理的な科学技術に基づいた本格的ハードSFとは異なる、「少し不思議=SF」で現実社会と向き合う作品です。 本書の巻末には韓国に留学中で小説やエッセイなどを執筆するモデルの前田エマさん(「Hanako Web」など)と、「韓国SF小説が描くもの」について作者と対談しました。 格差やジェンダー問題などの現実社会の厳しさを韓国社会で見つめる役目として、文学や詩の重要性を民主化運動などを通して育んできた歴史のある韓国に現在、留学していて感じる視点から語っていただきました。 著者プロフィール---------------------------- ファン・モガ(著) 2006年に来日、東京在住。漫画家制作スタジオを経てIT企業で勤務しながら韓国語で執筆した『モーメント・アーケード』が2019年第4回韓国科学文学賞中短編部門で大賞受賞し、作家デビュー。邦訳された作品はほかに『透明ランナー』『スウィート、ソルティ』など。未邦訳に短篇集『夜の顔たち』、長篇作品『私たちが再び巡り逢える世界』『言葉なき者の声(仮)』などがある。 廣岡孝弥(翻訳) 1981年富山県生まれ。『トトノイ人』をはじめ、リトルプレスの制作やサポート業に従事。2021年第5回「日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」にて『モーメント・アーケード』で最優秀賞を受賞。オープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパン正会員。
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inch magazine PocketStories 02 この星を離れた種族
¥1,210
『inch magazine PocketStories 02 この星を離れた種族』 パク・へウル (著), 廣岡孝弥 (翻訳)/ inch media / W106mm×H184mm中綴じミシン製本 / 80P / 装丁:坂脇慶 「気候変動+SF」は日本の作品ではまだあまり馴染みがないかもしれませんが、 子どもの頃に観た「日本沈没」(2006年/東宝)が記憶に残っています。当時はただただ恐怖でした…。というのはおいといて、 この作品では、気候変動や環境の変化に向き合う1人の女性の物語が丁寧に描かれているので、 女性の方にもおすすめです。 (以下inch media説明文より) 短篇小説をポケットに―― というコンセプトで、東京を拠点とするインディペンデント・マガジンinch magazineがリリースする海外文学翻訳シリーズ「PocketStories」の第二弾として、邦訳は初となる韓国で今注目のSF作家、パク・へウルのショートショート「鉄の種族」と短篇小説「ゆりかご惑星」の二篇を収めた『この星を離れた種族』を刊行します。 短篇小説「ゆりかご惑星」は清掃労働者の難民女性が家族の安全と引き換えに地球を離れ、ひとり開拓者として他の惑星を地球化(テラフォーミング=侵略化)する役割を担わされる物語。大きなテーマを捉えながら社会格差や環境破壊、差別に向き合い、ひとりの人間の小さな物語を描いており、イギリス製作で映画化も決定しています。 「地球外惑星への移住が必要な時代になったら、最初に惑星探査に派遣されるのは本当に“男性科学者”なのか?」 作者のパク・へウル氏は、科学者が地球を救うSF映画を観た時に感じた疑問から本書収録「ゆりかご惑星」の着想を得たと言います。 高度専門職に就くエリートではなく、ゴミ清掃員の難民女性が主人公の異色のSF小説。 『この星を離れた種族』のジャンルはCli-Fi(クライファイ=気候変動フィクション)。日本ではまだあまり馴染みがありませんが、世界のSF界で潮流となっている「気候変動+SF」です。韓国では近年、女性SF作家が増えています。差別や格差といった現実問題をSFという物語を通して描く作品が多く、20代〜30代の女性読者が急増しているそうです。 フェミニズムの視点も併せ持つ、新たな潮流となりつつあるSF作品となります。 巻末にはSF書評家、橋本輝幸氏によるCli-Fiの歴史を解説する「気候変動SF小史」も掲載しています。 また、装画、挿画は滝口悠生『長い一日』、窪美澄『ははのれんあい』などでイラストを添えている松井一平氏によるアートワークです。 著者プロフィール---------------------------- パク・へウル(著) 大学在学中であった2012年、『季刊文芸』の小説部門新人賞を受賞し、『ギパ(기파)』で2018年第3回科学文学賞長編部門大賞を受賞した。同年末、ムック誌『本日のSF#1』に短篇小説「希望を愛す(희망을 사랑해)」を掲載。2024年7月に初の短篇集『ゆりかご惑星(요람 행성)』が刊行され、表題「ゆりかご惑星」はイギリスで映画化が決定している。 廣岡孝弥(翻訳) 1981年富山県生まれ。『トトノイ人』をはじめ、リトルプレスの制作やサポート業に従事。2021年第5回「日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」にて『モーメント・アーケード』で最優秀賞を受賞。オープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパン正会員。